18歳で第一志望ではなかった陶芸科に入ってしまったリサは、今年で陶芸人生72年を超える。その数字はホームランを数百本打った野球選手の偉業のようにキラキラしている。すごいことだ。私とて、全く予想もしなかったのだが、ずいぶん長く、そして深く、リサ・ラーソンに関わることになった。でも、たった15年ぽっちだ。リサの72年間のアーチスト人生の前では、なんでもない数字に思える。
私たちはリサの作品を年がら年中見ている。けれど、それでも、箱の中からリサの作品が出てくる時には、すっごいねぇ、リサ、って声をあげる。この瞬間が15年間、ずっと続いてきたことが、まるで無口で円満な夫婦の秘訣みたいに存在する、私たちの関係性の芯なのだと思う。私たちも90歳になった時に、誰かとそんな関係性を作っていたい。リサさん、90歳おめでとうございます。あなたの創作が私たちの人生を確実に変えてくれました。そして支えてくれた皆さん、ありがとうございます。