【商品について】
マリアンヌ・ハルバーグ×瀬戸焼シリーズのお茶碗です。
お茶碗より頼れて、どんぶりより軽やか。実用容量は約200mlで、ミニ丼や汁物、サラダにもぴったりのサイズです。ゆるやかに歪んだフォルムと表面の凹凸が手にやさしくなじみます。高台付きで熱い料理を入れても持ちやすく、重ねて収納しやすい。白地ににじむ青のラインが料理の彩りを静かに引き立て、和洋中どんな食卓にも自然と溶け込みます。
どこか懐かしさを感じさせるこの佇まいは、中国で使われていた民藝の器に着想を得て、マリアンヌがかたちにしました。



そこに、からっぽがあるから、満たしたい何かを想う。けれど、どれだけ満たしても、またからっぽにかえっていく。というマリアンヌの考えを実によく表した茶碗です。
彼女の作る茶碗ですから、もちろん用途は自由です。食器以外にもお使いください。水を張って花を浮かべたり、拾った石を積み重ねてみたり、どんぐりを山盛りにしてみたり、からっぽの器をその時々に満たしてください。
私にとって、この茶碗は本当にシンプル。世界中の人々が好きなものを自由に食べる光景が目に浮かぶわ。持ちやすく、邪魔をせず、これだけで十分。まさにシンプルに生きるということです。
ーマリアンヌ

【制作サイドから】
この茶碗について、制作サイドから書かせてもらいます。私がこの茶碗を前に思うことは、例えば、こんな光景です。
マリアンヌの工房で、話に夢中になっていたらお昼になって「まかない」を食べることになった。ふっくらご飯が炊けて、魚の干物も炙った。そこでマリアンヌがご飯をよそってくれたのが、この茶碗だ。工房に散らばるどんな作品よりシンプルな初めて見る器だ。聞けば、ここではずっとこれを使っていて、私の分は昨日焼き上げたのだという。何の装飾もない、今使うためだけに作ったような器だ。食べ物が、外から、人の中へ、移動する際の一時的な置き場所が茶碗だ。茶碗に食べ物は一瞬しか留まっておらず、常にからっぽか、からっぽになりつつある状態にある。茶碗とは、なんと忙しくも謙虚な役割なのだろう。私たちは茶碗をからっぽにして、マリアンヌはからっぽを重ねて持ち去った。これまで、こんな事は起きなかったが、これからもこんな事が起きそうな気がする。それが私の思う「からっぽの茶碗」だ。
・マリアンヌの器シリーズについてマリアンヌの手作業の跡が再現できるように、ちょうどいい歪(いびつ)さを探しました。普通のまん丸に成形されたお茶碗などと比べてもらうと、すぐにその違いが手のひらと指先から伝わってきます。ふちの部分と高台に縁(ふち)部分に、マリアンヌブルーの線を入れただけの最小限の装飾を施しました。上から見ると、この丸は月のようにも見えますが、この器シリーズは、口をあけた空白を意味していて、食べるものを素直に受け入れて引き立て、あなたのお腹に届けてくれます。