高品質の「ましかく」写真プリントで大人気の「アルバス」さんとのコラボレーションにあたり、イェンニ・トゥオミネンにいくつか質問を投げかけてみました。
トンカチ
今回のコラボレーションアルバムを実際に手に取った感想を教えてください。
イェンニ
とても素敵です。ちょうど良いサイズで質感も気に入っています。
トンカチ
今回、イェンニさんがこだわった点について教えてください。
イェンニ
大事にしたのは色です。控えめで、時代を超えたクラシックな色を目指しました。フィンランドの田舎の8月の色をイメージしています。
「Ystävä(友達)」について
トンカチ
モチーフになった「Ystävä」というデザインについて、以前はこのような説明をしてくれました。
「夏は道端の花を摘んで、友達に喜んでもらうのもいいですね。そんな友情についての絵」
いまの気持ちで再度このデザインについて説明してくれませんか。(私にはこの草花はユーモラスに踊っているように見えます)
イェンニ
花が風に揺れているように感じます。花が踊っているというイメージです。
トンカチ
草花と話をしますか?どんな話をしますか?
イェンニ
庭の手入れをしている時に、木や植物や虫によく話しかけます。それらはそもそもが素晴らしいので、いつも私は一方的に褒めまくっています。花々をひと夏の間、手入れすると、彼らとの間に友情のような絆が生まれます。それは何とも言えない感覚です。
トンカチ
あなたの最初の「友達」について教えてください。
イェンニ
最も古い友人の一人は、ローラという名前の女の子でした。私はティーンエイジャーの頃にスウェーデン行きのフェリーを掃除するアルバイトをしていて、そこで同僚として彼女に出会いました。彼女のビンテージスニーカーが気に入り、話しかけたことが私たちの友情の始まりでした。私たちは何でも話しました。週末のパーティーで何を着るかとか、好きな音楽のこと、いつまでも話していました。一緒によく踊りました。彼女とは今も友達です。
トンカチ
あなたにとって「友達」と「ライバル」は、どういうものでしょうか。
イェンニ
友情は私にとってかかせないものです。ライバルとなると競争ということになりますが、私にも競争心が強い友人が何人かいます。その人たちはかなり野心的です。でも、私はそうではなくて、競争が全く好きではありません。競争が長年の友情を壊すのも見てきました。競争することより、助け合い、支え合うことが大切だと思うのです。私は競争とは関係なく、私のベストを尽くして一生懸命働きます。
トンカチ
あなたにとって「友情」と「愛情」とは、どういうものでしょうか。
イェンニ
友情と愛情は手を取り合っています。
トンカチ
まだ友達でない人と友達になるには、どんな「事件」が必要でしょうか。
イェンニ
自分らしく、正直で、オープンでいればいいと思います。自己紹介をして、会話を始めるのが最良の方法で、そこに特別な「事件」は必要ありません。
トンカチ
旦那さんのユッカさんはどこが友達的で、どこが友達とは違いますか?
イェンニ
彼がいなければ、私は私ではないでしょう。彼とは何でも話せて、信頼できて、彼のポジティブな姿勢が伝染し、それが私の喜びです。つまり彼は最良の友人であり、それ以上のものです。
▼イェンニと旦那さんのユッカさん
トンカチ
「Ystävä」のもとになったドローイング作品「Meadow」について説明してください。
▼「Meadow(草原)」
イェンニ
花畑の思い出を紙に描いてみたかったのです。私はそれを人々とも共有したかったのです。
アルバム/写真について
トンカチ
写真のアルバムときいて、思い出すことを教えてください。
イェンニ
私の子供の頃のアルバムには、幼少時に住んでいたスウェーデンの写真がたくさんあります。多くの写真には、必ずと言っていいくらい、マイヤ・イソラがマリメッコでデザインしたウニッコ柄のファブリックがどこかに写っています。それが私の記憶にも強く残っています。
トンカチ
あなたの思い出の写真アルバムを見せてください。
▼イェンニから送られてきたアルバムの写真
トンカチ
あなたはALBUSのアルバムをどんなふうに使いたいですか?
イェンニ
私はALBUSのアルバムを自分たちのサマーハウス専用の写真集にしたいです。そこに何年にもわたる思い出を詰めこみたいです。
トンカチ
あなたはいつもインスタグラムでユーモラスでキュートな写真をアップしています。それらの写真のセレクトについて、心がけていることを教えてください。
イェンニ
人々を喜ばせたいということです。今は難しい時代ですが、気持ちが前に向くことが重要です。誰かが長い仕事の後で私の写真を見て元気が出るなら、それが私の幸せです。
トンカチ
これは写真には撮れない、と思ったことを教えてください。
イェンニ
月の光や雲は、毎日のように見ているのに、うまく撮れません。見たときのような、そのまんまの美しさにできません。
トンカチ
これを写真に撮りたかった、と思ったことについて教えてください。
イェンニ
ある時、車の窓から見た光景があります。鶴の親子とキツネを見たのです。キツネは今にも襲いかかりそうなのですが、何としても子供を守るんだという母親の気迫がすごくて、キツネは少しも動けないのです。それは魔法のような光景で、あれを写真に収めたかった。今でもよく思い出します。
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