あんしんあにまるず。
心は、言葉にならない。
トンカチは、2023年3月から全国を巡回する展覧会「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界 -クラシックな名作とともに」に合わせて、絵本『あんしんあにまるず。』を刊行します。
展覧会のテーマ「SEEN AND UNSEEN」(見えるものと見えないもの)は、リサの架空の動物シリーズ「Unseen Animals(アンシーンアニマルズ)」が発端となっています。この「UNSEEN」の音の響きから「あんしんあにまるず。」という日本名が生まれ、その鳴き声を想像していて絵本のコンセプトが生まれました。いつものように一つの事柄が連鎖して、次々に広がっていくリサ・ワールドのはじまりです。
見えない生き物「あんしんあにまるず。」は、言葉をしゃべらないけれど、ユニークな音を発することで、言葉よりもっと大切なものを伝えてくれます。それは言葉を覚える前の人間の赤ちゃんと同じで、何かを伝えようとする心に、ユニークな音がくっついて、なんだか私たちは感動してしまうのです。それは、やがて言葉の獲得とともに失われていく、蜃気楼のようなコミュニケーションの源泉の美しさと無邪気さなのです。そして、言葉に頼らなくても、しっかりと心が伝わることが、本当の「あんしん」だから、「あんしんあにまるず。」なのです。何だか感動しちゃって欲しいのです。
はじまりは陶器!
「あんしんあにまるず。=Unseen Animals」は、リサ・ラーソンが架空の動物をテーマに作った4体の陶器作品がオリジナルです。それぞれみんな違っていて、みんな愉快で、何だか心が通じあえる、お守りのような動物たちです。オリジナルの4体は今回の展覧会のために限定生産されます(展覧会会場限定での販売となります)。
Omar
オマール
自慢のツノで、ネガティブをギザギザにしてくれるらしい。
そして、なんとこの子は絵本には登場していない、幻の「あんしんあにまるず。」なんです!
Otis
オーティス
この座り方をマネすると、明日は速く走れるらしい。
Olivia
オリビア
ふたつの口で、しゃべりながら歌えるらしい。
Olga
オルガ
おおきな耳で、アリたちがどんな話をしているのか聞こえるらしい。
※陶器は「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界ークラシックな名作とともに」会場にて、限定販売
そして「あんしんあにまるず。」へ!
4つのオリジナルに新たなスケッチが加えられ全24体(でも、本当は25体あるらしい!)のキャラクター「あんしんあにまるず。=Unseen Animals」になりました。
企画者は語る
Unseen Animalsが「あんしんあにまるず。」という音に変わった時点で企画は出来上がったようなものでした。スタッフに赤ちゃんが生まれて、その子と日々接する中で言葉以前の世界はなんて豊かなんだろうと気づいたことで生まれた本です。「あ~」とか「ばうばう」とか赤ちゃんが発する音は、毎日違っていてどんどん変化していく。音には意味がくっついてなくて、感情を伝えようと思わず動いた気持ち、つまり「心」だけがくっついている。だからなんだかわからないけど、言葉にできないものが伝わってくる。泣けてくる。感動する。喃語(なんご)と言われるものは、一瞬だけ咲く、コミュニケーションの本質の花なんだと思う。赤ちゃんの発する音は、毎日が奇跡の連続なんです。赤ちゃんが発した音はきっと赤ちゃん本人が思う通りには私達に伝わらないはず。でも、伝わらなくても、それに決して絶望せずにあきらめないで、世界を信じて音を発する。そのことに感動するんだと思う。私はすぐに伝えることを諦めてきたじゃないか、すぐに世界に不信感を持ったじゃないか、それを赤ちゃんに教えられて反省して感動する。こんなことをリサの架空の動物たちに結びつけたかった。この動物たちも言葉以前のところから出てきたものたちだと思ったから。でも、リサの作品はすべてそうですけどね。
トンカチ
絵本の中身をご紹介!
ふ~ん、くっぷぅ~、ギロギロラー!
みんなで一緒に、声に出して読みたい絵本です。
この子の名前はなんだろう。どんな子かな?何を言ってるのかな?こんなお話があるんじゃないかな?そんなことを話しながら、好きな音を作って自由に読んで欲しい。
目がたのしい、耳がたのしい、こころがたのしい、コミュニケーションする絵本です。