「信楽焼」の「しんじるたぬき」と、これをモチーフに作られた「益子焼」のお皿をセットにしました。
滋賀がつないだ、ジャパンシリーズの貴重なコラボレーションです。
【「しんじるたぬき」とは?】
2015年に信楽で開催されたリサ・ラーソン展が「しんじるたぬき」の始まりです。日本有数の陶芸の地であるこの場所で展覧会が出来るなら、何か特別なことがしたいと思ったリサは、2つのことを思いつきました。1つは巨大モニュメント「生命の樹」をこの地で作り陶芸の森に寄贈すること(こちらは長男のマティアスさんが来日し監修しました)、もう1つは地元の窯元でリサのたぬきを作ることでした。たぬきは、常に夫婦で行動し、夫は子育てにも熱心、そして生涯パートナーを変えないという一途な性格だとされていて、そこから「お互いを信じるたぬき」という連想が生まれ、それが「信楽」の字の中の「信」ともつながり、ならば「信じる楽しさ」こそ、生きる楽しさだというメッセージを打ち出そうとなって、この子は「しんじるたぬき」と命名されました。展覧会以来、信楽焼で作り続けられ今ではリサのジャパンシリーズを代表するロングセラーとなりました。
【信楽ブルーとは?】
「海鼠釉(なまこゆう)」という中国伝来の釉薬が明治初期から信楽で使われはじめました。信楽は有数の火鉢の産地であり、特に深い青色が好まれたことから、やがて窯ごとに様々な色味のブルーが現れるようになり、青のバリエーションが一気に広がります。地元の有志たちは、この伝統的なブルーをもっと現代の生活へ取り入れようと試行錯誤し、それが「信楽ブルー(Shigaraki blue)」に結実します。均等に色がついているわけではなく、見る場所によっても、光の加減によっても、深い青にも、緑や水色にも見える。それが信楽ブルーの奥深い魅力となっています。
【信楽焼について】
信楽焼(しがらきやき)は、滋賀県甲賀市信楽を産地とする日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつであり、日本の伝統的な“わび・さび”を伝える重要な文化拠点です。信楽の土は、耐火性・可塑性が優れ腰が強いことから「大物づくり」に適し、また「小物づくり」においても細工しやすい粘性があり、焼き物には理想的な土と言えます。1951年には、昭和天皇が信楽町行幸の際、たくさんの信楽狸に日の丸の小旗を持たせ沿道に設置したところ、その情景に感興を覚え歌を詠まれたという逸話が広く報道されました。それをきっかけに信楽焼のたぬきは全国的に知られていきます。
【益子焼とは】
栃木県芳賀郡益子町周辺を産地とする陶器。益子は現代陶芸のメッカと言われる。1924年に濱田庄司が定住して陶窯を築き、日本のみならず世界の陶芸界の注目を集める。石材粉や古鉄粉を釉薬にし、犬毛筆で色づけを行う為、重厚な色合いとぼってりとした肌触りに特徴がある。
【スタッフのコメント】
青いたぬきなんて見たことない!色んな角度で見れば見るほどスペーシーな様にすっかり魅了されました。海鼠釉と呼ばれる白い斑点が特徴の色付けが、さらに宇宙っぽさを助長しています。