マリアンヌと「きるもののかびん」。
2022年11月上旬、「マリアンヌの季節の風」の第2回目の花瓶ができあがったという知らせがきた。下記はその抜粋です。
T
12月の花瓶について聞かせてください。これはセーター?シャツ?なんて呼んだらいいですか?
M
2本の腕があるも生き物のための服、なんでも良いの、呼び方は。前に話したの覚えてる?窯入れ前の象の花瓶が腕が1本だけある人にみえたの。そこから2本の腕がある人の花瓶を作ろうと思ったの。私の考える日本っぽいイメージって、真っ直ぐな線の服なのね。今回はそれをイメージしたの。
T
象の花瓶を作ったからそのアイデアが生まれたんですか。そうではなく象の写真を見ただけだったら生まれなかった?
M
うーん。ただ見ただけでも自分の頭の中でアイデアが浮かぶことはあるから。スケッチしたり、自分の頭の中で起こっていることはコントロールできないからね。
T
つまりアクシデントで出来上がったってこと?
M
そうともいえるわね。
T
アクシデントは他人が共有できるものではないよね。
M
ええ、ただ彼らはそれを受け入れるしかない。
T
あなたのファンはあなたのアクシデント的な発想を何となく理解していて、それを面白がっていると思うんだけど、、
M
彼らが実際にどう思っているかはわからないけど、私の友人たちはそれを喜んでくれているわ。でもワークショップに参加する人たちは物事に批判的な態度を取る人が多いけれど、彼らも気に入ってくれているってことは、まあいいってことよね。
T
アクシデント的にできたものは何でも面白いですよね。それは色々なところにあります。音楽にも、映画にも、俳優のセリフなんかにも。
M
アクシデントに気づいて確実にキャッチして表現する、ということがアーティストのやることなのよ。
T
でもアクシデントを呼び寄せる方法を教えたり、学んだりはできないですよね?
M
そうね。でも、小さなことにも価値があるということを分かって、それを見つけるよう探していれば身につくこともあるわ。ミュージシャンも、科学者も同じで、小さいアイデアを発見して無駄にしない。それと同じ。
T
自分たち(トンカチ)のプロジェクトも、アクシデントが起こった時こそが面白いんだよね。アクシデントで最初の考えと全く変わってしまうとかね。
M
まさにそうよね。でもそれは自信がないとできないでしょう。
T
そうかもしれない。それはアクシデントに委ねるという自信というか小さな勇気が必要
ですね。チームで仕事をしていて思うのは、若い人たちは最初からそーいう自信や勇気を持っていないからアクシデントに関わることを嫌うし、恐れていることがある。
M
確かに。そこが問題よね。
T
そんな若者に大丈夫だよってマッサージするみたいに励ませたらいいんだけど、なかなか上手くできないんだよね。
M
それは難しいことよね。私たちはみんな違う生き物だから仕方ないのよ。