リサ・ラーソンの卵、いま、孵りました。
リサ・ラーソンの卵、
いま、孵りました。
〜リサ・ラーソンが再会した日本の土と釉薬〜
〜リサ・ラーソンが再会した
日本の土と釉薬〜
1950年代、リサが日本を訪れた際に出会ったもう一つの窯元「かしわ窯」。1980年代に彼らはヨーロッパの陶磁器メーカーの求めに応じてリサの作品を生産することになる。しかし、それらは全て国外に輸出され日本で発売されることはなかった。そのため、当事者以外、その事実を知る者はいなかった。そこから40年の月日が経過したある日、窯元の二代目が見慣れない古い型を発見し、先代に問うまで、記憶は静かに眠りつづけていた。
「かしわ窯」はリサの作品の復活を願い、リサもそれを願った。こうして、リサが日本に残していった鶏が産んだ卵は、長い長い年月を経て、今まさに、孵化しようとしている。
Lisa Larson × かしわ窯
リサ・ラーソンは、1950年代に来日し、益子焼の濱田庄司と出会うことで、一層と日本の陶芸について興味を持つようになったと言う。そして同時期に、愛知県瀬戸の洞地区で独創的な仕事をする「かしわ窯」を知る。リサは、赤土と釉薬の配合と、鋳込み製法と還元焼成が作り出す独特な作品に深く感銘を受けている。それから20年後、1983年。リサの作品を「かしわ窯」が製造することになる。これはリサがクライアントに働きかけた結果だという。リサは彼らのことを忘れておらず、彼らの製法はそれほど強い印象を残していたのだ。このプロジェクトでは、エッグカップやバターケースなどが作られ、それらは全てヨーロッパへ輸出された。今回、当時の型がそのまま発見されたことがきかっけで再生産のプロジェクトがスタートした。しかし、今回のプロジェクトは通常のそれとは大きく異なる。今回は、「かしわ窯」という日本の窯元の情熱が、全てを動かしたということだ。通常のように、我々トンカチが先導したプロジェクトではなく、ただただひとえに、これを今の解釈で作りたいという窯元の情熱が我々を動かしリサを動かしたのだ。それは、売れる売れないというようなマーケティング戦略を超えた部分でのことだった。鶏の産んだ卵は孵らなければいけないよね、ということだったのかも知れない。タイトルには「リサ・ラーソン×かしわ窯」と謳われているが、本当は「かしわ窯 presents Memories of Lisa Larson」と言うべきプロジェクトだ。
Line up
にわとりのエッグカップ、バターケースが、オリジナルと同様の手法で復刻されています。
イースターの際に使用するために作られる事が多かったにわとりのモチーフ。リサ特有の丸みを帯びたフォルム。リサを感じさせるディテールが随所に施されています。ヴィンテージ調の色合いで、それぞれ釉薬や焼き色の差も特徴です。
にわとりのエッグカップ(小)
[かしわ窯]
背中に卵がのる姿が愛らしいエッグカップ(小)。うつむき気味のくちばしが今にも今にも何かをついばみそうな愛くるしい姿に癒されます。専用の箱に入っていますので、プレゼントにも最適です。
にわとりのエッグカップ(2個セット)
[かしわ窯]
「にわとりのエッグカップ(小)」の2個セット。背中に卵がのる姿が愛らしいエッグカップ。うつむきながら今にも何かをついばみそうな愛くるしい姿に癒されます。エッグカップだけではなく、小物入れとしてもお使いいただけます。専用の箱に入っていますので、プレゼントにも最適です。
にわとりのエッグカップ(大)
[かしわ窯]
エッグカップLは、卵が7〜8個分ぐらい入る大きさ。エッグカップで使う以外にも植木鉢やキッチンの物入れとしても楽しめます。専用の箱に入っていますので、プレゼントにも最適です。
にわとりのバターケース
[かしわ窯]
蓋を開けた瞬間にまわりから声が出そうな、めんどりがひなを暖めているようにも見えるバターケースです。クッキーやデザートを入れても、小物入れに使っても、大事なものを隠しても素敵です。専用の箱に入っていますので、プレゼントにも最適です。
注意事項:
※手作りのため、サイズや釉薬等による色味、焼き色に多少の個体差がございます。予めご了承下さい。
※陶器の特性上、縁に小さな気泡や突起が見られる場合がございます。
不良品ではございませんので予めご了承ください。
制作工程で難しかったこと
土の脱鉄と細かく土を擦る技術が格段に進んだことで、どうしても当時のものより綺麗な仕上りになってしまう事に苦労しました。当時のディテールを極力再現したいという思いで試行錯誤し、かなり近いものにする事ができました。
制作動画 01
「エッグカップ鋳込み風景」
制作動画 02
「エッグカップ仕上げ風景 掻き」
赤土と釉薬について
瀬戸が白磁器の全盛期であった1960年代、創業者 岩附壽之はその流れに乗らず、「自分は雰囲気のあるものが作りたい」と土と釉薬の配合に2年の歳月を費やす。土に関しては「フリーハンドのような歪み」にこだわり、焼くとクテッと歪む赤土に配合。その中で歪みすぎず、ピシッと決まり過ぎないベストの歪みを完成させる。雰囲気を表現するために「コゲとムラ」にこだわり「かしわ窯の赤土+かしわ窯の釉薬+かしわ窯の窯」この3つが揃った場合にのみ完成する製法を確立する。創業者は7年前に引退。その後、陶芸を趣味として継続すべく自宅に電気窯を導入するが、この雰囲気で焼き上げることはできないと言う。二代目 岩附寿人は先代の完成させた独自の製法を、流行に左右されることなく守り・創り・育てている。
瀬戸焼とは
「瀬戸焼」とは、愛知県瀬戸市を中心に作られる焼き物の総称であり、 約1,000年以上の歴史を誇る。焼き物全体を指す名称として使われる「せともの」という言葉は、国内の窯業を長く牽引してきた瀬戸焼が由来となっている。瀬戸は国内に留まらず、世界にも認められる陶磁器産業が息づく地域である。
- かしわ窯とは
1965 年に愛知県瀬戸市で創業。
フィンランドのデザイナー・カイ・ フランクの影響を強く受け、職人の技術が結集した複雑な製法「鋳込み製法」を使い、瀬戸で採れた赤土を活かし独自に仕上げた配合により焼きムラと歪みや最大の特徴である複雑な形状のレリーフを生かした作品をうみだす。現在は創業時から変わらぬ、鋳込み製法と還元焼成を受け継いでおり、新たなデザインへの取り組みや、創業当時に生産したデザインの復刻に取り組んでいる。